町田フラメンコスタジオ『Levante』~レバンテ~

□ ●ブログ Marca del viento ~風跡~ □

芸能

先週、日頃から大変お世話になっている
友人のご家族からご招待いただき、
国立能楽堂へ初めての能楽鑑賞に行ってきました!

約600年の歴史をもった現存世界最古の舞台芸術、
日本人として、そして舞台に携わるものとして
やはり、見ておきたいところです。。。

まず、会場に入ると能舞台の造りに興味津々!!

揚幕から屋根のある四方の本舞台に行くまでに
橋掛かり(はしがかり)と呼ばれる廊下のような
部分があり、その欄干の外には遠近感を出すために
大きさ違う松が三本植わっています。

本舞台は四本の柱に囲まれていて、
四方を現しており、春夏秋冬や東西南北を
表現しているそうです。
こちらからすると柱が目障りなのですが、
面(おもて)を着けた演者にとって、
面の小さな目の穴の狭い視界のなかでは、
この柱が大切な目安になっているそうです。

舞台正面には春日大社の「影向の松」を写した
とされる老松が描かれた鏡板(かがみいた)があります。


この日の演目は※『隅田川』
能鑑賞初心者でも解りやすいお話です。
イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンは
この作品に感銘を受け、『Curlew River』
という題でオペラ化した名曲です。

能は、主人公(シテ)が演じる役柄によって
「神(しん)男(なん)女(にょ)狂(きょう)鬼(き)」
の5つのジャンルに分けられます。
多くの場合、シテが演じるのは人間のほかに
神や亡霊、天狗、鬼など超自然的な存在なのです。
それらが中心になっているそんな摩訶不思議な演劇。。。


そして、この「隅田川」は、狂(きょう)
にあたる物狂能。
ここでいう「狂う」は、私達がイメージする
病的な状態ではなく、何かを思いつめた姿や
深い悲しみを舞いとして体現することを言うのです!


囃子方(はやしかた)は、上手から
笛、小鼓、大鼓、太鼓
これを四拍子(しびょうし)といい、
誰もが印象に残る「イヨォ~、ポンッ!」の
小鼓は、リズムを取って打つことに加えて、
何種類かの音を使い分け、 音とかけ声を組み合わせた
手組(リズムパターン)は、130種ほどあり、
曲毎に事細かに決められているそうです。


朗々とした唄いかたが、フラメンコのカンテにも似ている
地謡(ぢうたい)は、登場人物の心理描写や情景描写や
シテの感情を代弁してうたうこともあるそうです。


なんだかフラメンコのクアドロ形式にも
通ずるところがありますね!


洗練された型やなめらかな動作、この伝統的な所作は
立って演技する場合、その基本を「構え」
動きを伴うのが「運び」といい、静止している
動かない状態にも身につけるべき大切な基本があるそうです。

いろいろな力がつり合い、影響し合うことで静止し
身体に極度の緊張を強いることで、内面から湧き上がる
迫力や気合を表出させ、この内なる強さによって
存在感を示しているのです。
ゆえに構えを見れば演者の力量が分かるとも言われているそうです。


これは、フラメンコ舞踊も然りです。。。


1つの動きの中にはいくつもの内容が込められ、
無表情な能面には幾通りもの表情が隠されている。
これを全身全霊で、表現するのですから
ごまかしのきかない世界です。


舞台のはじまりの解説で、狂う(=舞う)ことで
悲しみや心情を表現するのではなく
悲しくなるからこそ舞う、狂うのだ。
という言葉が印象的でした。。。


「芸能とは人生をかけて完成するものだ」


能の大成者・世阿弥(ぜあみ)の有名な言葉が
繋がった気がしました。

肉体的な若さや、表面的で一時のものばかりが
芸能の魅力ではなく、内側から湧き出すもの
面の下の自分自身が重要なのだ。

自分がこの道を選んだのなら、
一生かけて追求していくのみ。
それを止めた時、人は朽ちてしまうのだろう。。。



※【隅田川】
人商人にさらわれた我が子を求め隅田川の畔に
辿りつた女は、対岸への船中、人々の大念仏を
唱える声を聞く…まさに去年の今日三月十五日に
病に倒れ人商人に捨てられ息絶えた少年を
弔う人々の称名なのであった。その話を渡し守から
聞いた女は、その子こそ探し求めていた我が子で
あることを悟る。船を下り、我が子が眠る塚の前で
悲嘆に沈みながら念仏を唱えると、我が子の亡霊が
現れる。再会を喜び互いに手に手を取ろうとする母と子。
しかし、それは叶うことなく、しらしらと隅田川の世は
明けていくのでした。





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Date:2013/05/26
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