町田フラメンコスタジオ『Levante』~レバンテ~

□ ● ひとりごと □

インスピレーション

練習を終えて、一人とぼとぼと家路へ向かう…

色々な人へのメールの返信など、まだまだ今日中に
やり終えなければならない用事の数々を思い出し
疲れた足がより重く感じた。

ふと、顔を上げると目の前には
ドーナツ屋さんの看板が、まるで私を迎えるように
黄金に輝いている!

案の定、吸い寄せられるままに店内へ。。。

大好きなコーヒーと新作のドーナツ、
家へのお土産の分も買って、席へと向かう。
重いカバンが肩から滑り落ち、私は崩れるように
ソファーになだれ込んだ。

そして、大きなため息をひとつ。

温かいコーヒーをひと口すすった。
ホッとするこの瞬間
「よくがんばった。」
と頭を軽く撫でられているような
この安心する感覚がたまらないのだ。

深夜のドーナツショップは一人で来ている
客が多く、昼間と違って緩やかな空気が流れ、
日中にはあまり気に留めていなかったBGMが
いつもより大きく聴こえてきた。

60、70年代のアメリカンポップス…


亡き父は、お酒が大好きで
休肝日なんて言葉とは無縁な人だった。

私は当時、自動車の免許をとったばかりで
少しでも父にお酒を飲ませないようにと
運転の練習をかねて、週末になると
よく父を夜のドライブに誘ったものだ。

通販で買った父と母が大好きなアメリカンポップス
のカセットテープを流しながら星空の下をぬけて、
いつまでもこの時間が続けばいいと思った。

そんな懐かしい記憶がよみがえったのだった。。。

すると、店内のBGMがガラリとかわり
フラメンコギターの音色に!

思わず体が反応してしまった…。
明らかに、お店の雰囲気とは似つかわしくない
情熱的な旋律が響き渡っていた。


ジプシー・キングスの「インスピレーション」
という曲だ。。。


日本ではテレビの時代劇ドラマ「鬼平犯科帳」の
エンディングとして使われた有名な曲である。

子供の頃、父はよくこの時代劇を毎週かかざず見ていた。。。
私はソファーに寝転んで、うつらうつらと夢の中で
この曲を聴いた。

そして、この曲が流れだすと決まって、母が

「もう、お布団に入りなさい!」

と、あきれたように私に言った。

子供の私には、このギターの曲が好きになれなかった。
音色が寂しくて仕方なかったのだ…。

まさか、大人になってこのギターとこんなにも
かかわることになるなんて。。。
今思えば、これが私のフラメンコギターとの
初めての出会いかもしれない!

なんだか天国の父に
励まされているような気がした。。。

すっかり、時空を旅したような
不思議な気分で店を出た。
少し冷たい空気は澄んで、よりいっそう
星を輝きだしている。

私は、さっき来た時よりも軽い足取りで
星空を見上げながら、家へと向かったのだった。。。


【Inspiration -ジプシーキングス Gipsy Kings 】
www.youtube.com/watch?v=VcOvqpOWCwM
スポンサーサイト

*    *    *

Information

Date:2011/10/28
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿

:
:
:
:
:

:
: ブログ管理者以外には非公開コメント

Trackback

TrackbackUrl:http://kazeatoflamenco.blog.fc2.com/tb.php/3-4ce6c6ed
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
 
現在の閲覧者数: