町田フラメンコスタジオ『Levante』~レバンテ~

□ ● ひとりごと □

ありがとう。

世間はお盆休み。

昨日は、自宅から程近い父のお墓参りへ。

そして、今日は昨年亡くなった祖母のお墓参りへ、
母を助手席に乗せて、2時間ほどのドライブです。

途中からは、対向車が来たらどうしたらいいの?!
と、思うほど細く、くねくね蛇行した山道。


そんな道中、たくましく生きる野良猫の集団を発見!


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去年の夏は、祖母の病院の手続きや
転院先をさがすのに必死で、
どんな夏を過ごしていたのか…あまり記憶にありません。

初めに入院した病院は、一番豪華な個室しか空いておらず、
テレビや応接室、シャワー室完備の無駄に広い部屋に
ほとんど意識のない寝たきりの祖母の
小さな寝息だけが響いていました。

時々目を開き、夢と現実の狭間を漂い、

「おばあちゃん、私のことわかる?」

と、問いかけると、聞いたこともない名前を
ボソボソとつぶやく。

どうやら、自分の姉妹の名前のようだ。

長い長い眠りの中で、子供の頃の夢を見ているのだろうか。


ある日、まだ祖母が元気だった頃を知る私の友人が、
この病院までお見舞いに来てくれた。

すると、奇跡が起こった!

ベットから上半身を起こすこともできなかった祖母が、
急に起き上がり、友人に向かって


「わざわざお見舞いにきてくれたの?!立ってないで、さあ座って!」


そして、何度呼びかけても決して瞳に映らなかった私をチラリと見て


「お友達にイスを持ってきてあげて。」


私は目を丸くしたまま


「おばあちゃん、私のことわかるの?」

「何言ってるの?!潤子でしょ!」


しかも、笑いながら…。
私のほうがどうかしているかのようだった。


私は祖母にどうしても伝えたいことがあった。

母と祖母は実の親子でありながら、あまり仲が良くなかった。
私からすれば、ただ素直に一言

「ありがとう。」

と、意地をはらずにお互いが
日ごろの感謝を口にすればいいのに…そう思っていた。

私は祖母に、お母さんがとても心配していて、
早く元気になってほしいと思っていると伝えた。
祖母は、話を聞き流すように一点を見つめたまま黙っていた。


これが、祖母と現実という今の世界で、会うことができた
最後の日だったように思う。

それから、転院し一ヶ月ほどが過ぎた。

眠っている時間がほとんどで、目を開けることも少なくなっていた。

祖母が旅立つ前の日、母とお見舞いに行くと
帰り際、祖母は母の手を力強く握り返し、目を見開き
焦点の定まらない瞳で、母の顔を必死にさがしながら、
何かを言おうとしていた。

母は、言葉にならない声にうんうん、と何度もうなづき
涙をこらえていた。


私は、その言葉が「ありがとう。」であってほしい思った。


この世に残される者は、この言葉でどれだけ救われるだろう。。。


お墓参りに行く山道、私はいつもあの時の光景を思い出す。

セミやヒグラシの必死に鳴く声が山の中で響きわたっていた。
ひと夏の命に悔いなど残さぬように。


そして、私は「ありがとう。」の言葉の大切さを思い知るのだ。


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Date:2012/08/15
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